地方都市や郊外の農村地帯という場所で発生するゴミ屋敷は、都会のそれとは比較にならないほどの圧倒的な物量と、広大な土地への拡散という深刻な問題を抱えています。土地代が安く、1つ1つの敷地が広いために、住人が「何をどこに置いても自由だ」という意識を持ちやすく、それが結果として際限のないゴミの集積を招いてしまうのです。地方という場所特有の、廃品回収業者や古物商を名乗る住人が、いつの間にか趣味と実益を兼ねてゴミを集め始め、気づいたときには数千平米もの敷地がゴミの海と化しているというケースは枚挙にいとまがありません。こうした場所でのゴミ屋敷は、不衛生なだけでなく、周辺の農地や山林、さらには地下水への汚染といった環境破壊に直結します。錆びたドラム缶から漏れ出す廃油、放置された古いバッテリーから溶け出す有害物質、そして腐敗した残飯が引き寄せるイノシシやシカといった野生鳥獣の害など、ゴミ屋敷の場所が起点となって地域全体の生態系や農業基盤を揺るがす事態となります。地方という場所は、近所付き合いが濃密である一方で、一度関係がこじれると周囲が介入しにくくなるという難しさもあります。「あの人のすることだから」と見て見ぬふりをされ続け、数十年かけて熟成されたゴミ屋敷を解消するには、それこそ数千万円の費用と数ヶ月の期間が必要となります。自治体による行政代執行も、あまりの費用の大きさに二の足を踏むことが多く、その結果としてゴミ屋敷が地域の「負のランドマーク」として放置され続けることになります。地方という場所をゴミから守るためには、早期の法的な指導はもちろんのこと、ゴミを集めることでしか社会との繋がりを持てない住人への精神的なケアや、適切な資源回収システムの構築が必要です。また、都会から地方の空き地へゴミを持ち込む不法投棄の取り締まりも強化しなければなりません。地方という場所の豊かな自然と美しい景観は、一度ゴミ屋敷に汚染されてしまえば取り戻すのは容易ではありません。私たちは、地方という場所の価値を再認識し、ゴミに埋もれた土地を再生させるための全国的な支援スキームを確立していくべきです。
地方都市の広大な敷地で拡大するゴミ屋敷の深刻な被害